長野式鍼灸
《特徴》
 人間の体には本来、自然治癒力というものが備わっています。
これを阻害するものがあると病気が発症してきます。
この自然治癒力を妨げている要因を5つに分け、これを取り除く
ことによって治癒へと持っていきます。
鍼灸の古典理論から西洋医学の解剖生理学に根拠をおいた特異な治療法が
長野式治療です。

《5つの要因》
1、免疫系 2、血管系 3、神経・内分泌系 4、筋肉系 5、気系
長野式のもう1つの特徴は、“丸ごと治療”ということです。患者の
病気だけを診るのではなく、患者そのものを診る。
症状や病気がどのようにして起こったのか、その背景には何があったのか、
患者を取り巻く家庭環境や職場・対人関係などを知っておくことは
治療する上で、大変大事なことです。
病気だけでなく、病人を治していくという事です。

《診断・所見》
(1) 問診(もんしん)
何時から、どこが、どのようにあるのか。
今までどのような治療をしてきたのか。既往症や手術・入院の
有無、薬・食・便・睡眠はどうか等。
(2) 脈診(みゃくしん)
脈の状態を診てどのような施術が適当か判断します。
脈状は今の体の状態や病状の経過、予後が最もわかる診断法です。
祖脉(浮沈遅数虚実)というのがあり、脉状の基礎になっています。
(3) 腹診(ふくしん)
鍼灸の腹診は難経系が主流になっており、臍(へそ)を中心に
肝・肺・心・腎・脾(ひ)を診ていきます。
(4) 火穴診(かけつしん)
火穴というのはその経絡の虚実がよく表われている反応点です。
五臓に重きを置きますから、特に陰経を診ていきます。
無論、陽経も診ます。 
(5)局所反応点(きょくしょはんのうてん)
口蓋扁桃や頚部リンパ節に関係が深いのが天?(てんゆう)。
神経的な疲れが出て、ふらつきがある場合は陰陵泉(いんりょうせん)。
筋緊張が簡便に判別できるのが胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)。等

《治療》
  (1) 免疫系処置
体には外敵(ウイルス、細菌等)から守る免疫機構があります。すなわち
骨髄・白血球・扁桃・リンパ節・胸腺・粘膜下リンパ組織等であり、
それらの機能を強化、活性化することによって治癒に導く処置です。
(2) 血管系処置
血液の循環がスムーズに保たれることで、健康を維持している面があります。
しかしこの血流が滞ったり、虚血に陥ったりすると体の治癒力が低下して
体調が崩れてきます。この血液循環を促進する処置です。
(3) 神経・内分泌系処置
自律神経や内分泌機能によって、体の全身調整が計られバランスが取れています。
このバランスが乱れると病気に傾いていきます。
これら自律神経や内分泌の働きを調整する処置です。
(4) 筋肉系処置
筋肉や靭帯の強張り、硬化或は弛緩によって体の方々に痛み・しびれなどが出ます。
この歪みを正していく処置です。
(5) 気系処置
鍼灸治療はそもそも、経穴を使って“気”の巡りを良くする治療です。
気の流れを促進し、調整していく処置です。



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