鍼(はり)

使用する鍼
鍼は衛生的に優れたディスポーサブル鍼ですので、その人だけの使い切りにしています。
直径が1番(0.16mm)から5番(0.24mm)までのものを使用しています。
細い鍼なのでほとんど痛みを感じません。

刺鍼(ししん)の方式

管鍼法(かんしんほう)
江戸時代の杉山和一(すぎやま わいち)によって考案された方式。
細い管の中に鍼を入れて皮膚の上に置き少し出た鍼の頭の部分をトントンと上からたたきます。
そうすると皮ふの中にスッと鍼が入っていき痛みを感じることがほとんどありません。

皮内鍼(ひないしん)・円皮鍼(えんぴしん)
痛みを伴う疾患などの場合に有効です。刺した鍼を長時間留置し持続的な刺激を与えます。
ごく短い鍼を使い、絆創膏のようなもので抑え、長時間(1日とか)そのままにしておく方法です。
40年ほど前皮内鍼を背中につけたまま相撲を取る大関がいました。それだけ安全だと言えます。

灸頭鍼(きゅうとうしん)
鍼の柄の頭に艾(もぐさ)を球状に付け点火します。
鍼の機械的な刺激と灸の温熱的な刺激を同時に生体に与えることにより、自己回復力を強めます。

刺絡(しらく)
中国最古の医学書『黄帝内経霊枢』に[絡刺]として記載されている考え方。
?血(おけつ)と呼ばれる、鬱血や血行障害など血の流れが滞っていることから
生じる症状を和らげる方法。
槍のような形状の三陵鍼などを用いて浅く刺し、悪い血を放出させます。
それにより症状を緩和し、疾病の治癒を行います。


灸(きゅう)
透熱灸(とうねつきゅう)
肌に直接艾を置き灸をする方法です。
当院では良質の艾を米粒大程度の円錐形に形成し、直接皮膚上の経穴(けいけつ:ツボ)
圧痛点(痛みを感じるところ)に置いてお灸をします。
数秒ですぐに燃え尽きますがチクッとするくらいの温熱を感じます。
それでも熱さが強すぎる方には、さらに皮膚との接点が小さい[糸状灸]をお勧めします。

知熱灸(ちねつきゅう)
透熱灸の際に、最後まで火をつけたままにせず、気持ちのいい熱さのところで
施術者が火のついた艾を指で消す方法。
どのタイミングで消火するかが灸の効果を左右します。
余談ですが、私の親指と中指はちょっと焦げています。

隔物灸(かくぶつきゅう)
艾と肌の間に、ビワの葉や塩などの物を置いて施灸する方法。じんわりとした熱さと
はさんだものの薬効が相まって効果的です。



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